ISOLATION -幕間-


目の前の人物と対峙した時、少しだけ奇妙な既視感を覚えた。
そして思った。

あぁオレはここで死ぬんだな、と。




「君が沢田綱吉くんかぁ」

白い人がオレに話かける訳でもなく呟く。
目の前に居るのに実態が掴めない人。
笑顔を浮かべてるのに、そこに心が感じられない人。
……俺の知ってる人にどこか似てるけど、どこも似てない人。

「うん。話しには聞いていたけど、想像以上にいいね」

そう言ってニッコリと笑う。
なんて毒々しい笑顔。
気持ち悪い。

「そんな顔しないでよ。本当は綱吉くんと仲良くしたいんだから」

馴れ馴れしい口調が、気持ち悪い。
なんだろうこの人。
入れ物と中身と口調と表情と…全てが乖離している。
怖い人。

「でも、世の中って上手くいかないよねぇ」

言葉が上滑りしていく。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。

「君の答えはNO。そうすると」

目の前の人がゆったりと銃を構える。
そんな状況でも殺意が全く感じられない。
でも、確実に死の瞬間が迫っている事は、分かる。
この人は躊躇いも動揺も一つも見せず引き金を引ける人、だ。

「死んでもらうしかないよね」

作戦の一環とはいえ、生き返る保障はない。
覚悟を決めてこの場に臨んだはずだったが……やっぱり怖かった。
対峙する人物は想像をはるかに超えて、怖かった。

「バイバイ、沢田綱吉くん」

死ぬ、と思った瞬間頭に浮かんだのはファミリーの事でも両親の事でも初恋の人の事でもなく、六道骸の事だけだった。
最後に見た寂しい笑顔。
ちゃんと話を聞いてやれば良かった。
ごめんな、骸。
ごめんな、むく

暗転

(2009.04.12)
白蘭気持ち悪い連呼してすみません。19巻読み返してトレースさせていただきました。